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森繁和の投手考察
今週の考察対象/館山昌平[ヤクルト]



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 昨季まで中日でヘッドコーチなどを務めたが、ヤクルト・館山はやっかいな相手だった。右のサイドとも、スリークオーターともいえる変則的なフォーム。ゆったりした独特のリズムながら、クイックなどもうまい。特に神宮球場で、中日は昨季も2勝8敗2分けだった。これは館山にだけやられたわけではないのだが、とにかく神宮でのヤクルト戦にはいい印象がない。

 聞けば血行障害の手術などで計91針も縫ったという。投手にとって指先の感覚は生命線。本当に微妙なものだ。仮に肩、ヒジに多少の違和感などがあっても、指先でごまかしが効く。ただ、その逆はできない。メスを入れ、復帰し、今季もきっちりローテーションで投げている。リハビリに対する信念、トレーニングへの自信には敬服する。私も現役時代に血行障害をやったことがある。手術はしなかったが、当時は寒くなったら指先の感覚がなくなったものだ。館山は故障をするたびにレベルアップをしている。本当にたいしたものだな、と思う。

 とにかく、変化球を含めてボールを自在に操って打者を牛耳る。まず直球を動かす。右打者の内角に食い込むシュート系のツーシーム、逆にカットボールもある。スライダーも縦の変化と、横に滑るように曲がるもの。落ちる球は、シンカーとフォークを持っている。フォークも右打者の外に逃げると思えば、シュート系……。これらを外角、内角に投げ分けることで、それこそ球種という意味では何種類にもなる。打者は的が絞れない。

 これは館山以外の時にもヤクルト戦で常々思っていたのだが、神宮球場独特の部分についても話をしたい。同球場ではプロ野球だけでなく六大学、東都と大学野球も連日、開催される。雨の影響を少しでも避けるためだろう、神宮はホームベースを挟んだ打席、捕手、審判らの立つ位置が若干、高くなっている。これなら雨がたまらずに外側に流れ、試合進行への影響は少なくなる。三塁ベンチから見ていても、他の球場と比べて「ちょっと高いな」とよく分かる。これが実はやっかいなのだ。

 投手は他球場と同じ感覚で低めに投げても、捕手の位置が高いためにボールが高めに行ってしまう。捕手の谷繁にも「いつもより低めに」と常に言っていた。これが大きく負け越した要因の1つかも知れない。

 いずれにしても館山の精神面の強さ、ケアに対する意識……。本当に立派だと思う。昨季のクライマックスシリーズでも対戦したが、本人は「これでダメになっても、手術をするから」と言ってマウンドに上がっていたそうだ。そんな状況で投げ続け、手術し、開幕直後の現在も結果を残しているのだから。

 ヤクルトは若い投手が多い。チームも好調。開幕投手を務めた左の石川、そして右の館山と、しっかりとした左右の柱がいることも大きな強みだと思う。


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